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緑色蛍光体の開発により液晶テレビ用バックライトの色再現域の向上に成功

~次世代の8K放送に対応~

国立研究開発法人物質・材料研究機構 (NIMS)

NIMSとシャープ株式会社の研究チームは、8Kテレビに適した白色発光ダイオード (LED) の試作に成功しました。

概要

  1. 国立研究開発法人物質・材料研究機構 (以下NIMS) 機能性材料研究拠点の広崎尚登フェローと、シャープ株式会社 (以下シャープ(株)) 研究開発事業本部の和泉真室長、吉村健一研究員からなる研究チームは、8Kテレビに適した白色発光ダイオード (LED) の試作に成功しました。LEDを構成する緑色蛍光体の発色を改良することにより、赤、緑、青の光の三原色の鮮やかさが向上し、8K放送の目標色域の90%を達成しました。8K放送の色のきれいさを十分に再現できる色域であり、現行の液晶テレビと同じ蛍光体LED方式でのバックライトの実用化にメドがたちました。
  2. 東京オリンピックの年 (2020年) に、解像度と色再現域を広げた8K高品位テレビの普及が計画され、BT.2020規格として制定されています。これは、従来のNTSC規格に対して、色空間の面積比で134% (CIE1976座標上) もの広い色域を有します。この規格を実現するには発色のよい光源が必要であり、現行のバックライト技術では対応できません。液晶ディスプレイは、LEDバックライトが放つ白色光を色フィルターで三原色に分解して画像を表示する装置であり、色再現性の向上にはバックライトに含まれる赤、緑、青の3原色の色成分の色純度を向上させる必要があります。現状のバックライトでは赤色や青色成分の色純度と比べて、特に緑色成分の発色が悪く問題となっていました。すなわち、バックライトの色再現性を向上させるには、色域拡大に対応した緑色蛍光体の開発が望まれていました。
  3. シャープ (株) の協力を得て試作したLEDバックライトでは、NIMSが開発したγAlON (ガンマアロン) 緑色蛍光体を用いたことが特徴です。この蛍光体は発光波長が525nmと色純度が高い緑色であり、スペクトルの半値幅が40nmとシャープなことが特徴です。これにより、純粋な緑色の発色が可能となり、BT.2020規格の色再現域の90%を達成することができました。
  4. 色域拡大の方式として、カドミウムを用いた量子ドットが提案されていますが、環境負荷の点で好ましくありません。本技術では有害な元素を用いずに色再現域に対応でき、現行のバックライトの白色LED部品だけを置き換える技術であり、コスト面と安全面で優れています。
  5. 今後は、材料特性の改良による明るさ改善と低コスト化を進めた後に液晶テレビに組み込んで色再現性の調整を行い、2018年の8K実用放送開始に向け、8Kテレビのバックライトに適した白色LEDの実用化を目指します。
  6. 本研究成果は、応用物理学会発行のJapanese Journal of Applied Physics (JJAP) 誌の2017年2月号に掲載されます。

「プレスリリースの図3:  (a) 開発品と (b) 従来品の白色LEDバックライトを用いたディスプレイの色再現域 (白い三角形) 」の画像

プレスリリースの図3: (a) 開発品と (b) 従来品の白色LEDバックライトを用いたディスプレイの色再現域 (白い三角形)




本件に関するお問い合わせ先

(研究内容に関すること)
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
機能性材料研究拠点 サイアロングループ
フェロー 広崎尚登 (ひろさき なおと)
TEL: 029-860-4479
E-Mail: hirosaki.naoto=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
(報道・広報に関すること)
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
経営企画部門 広報室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
TEL: 029-859-2026
FAX: 029-859-2017
E-Mail: pressrelease=ml.nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
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